繊維リサイクル・製品製造

ウエスものがたり【第一回】ウエスの由来

主に工場などで油ふきなどに使われる雑巾をウエスといいます。ウエスという一風変わった名前は、英語でくずやぼろを意味する”Waste”が訛ってできたものだといわれています。しかし日本には昔から「雑巾」や「布巾」という呼び名があるのに何故「ウエス」などと呼ばれるようになったのでしょうか。日本が明治の近代化を迎えた当時、西欧諸国では軍艦や鉄道などのメンテナンスに糸くずが使われていました。しかし産業革命前の段階にあった日本に糸くずはなく、そこでその代わりとして豊富にあったぼろ(古布)を使うようになりました。しかし「糸くず」を意味する”Waste”という言葉はそのまま流通したので、やがてそれが訛って日本語化し「ウエス」となったといわれています。現在ウエスという言葉は広義で拭き物、あるいは汚れを取るために使うもの全般を指して使われる場合もあります。ちょっと変わったところでは、よく駅のホームで汚物処理におがくずを使っているのを見かけますが、あれも「おがくずウエス」と呼ばれています。しかし、これからいうウエスは元々の意味でのウエス、すなわちぼろ(古布)を原料としているものをいいます。