繊維リサイクル・製品製造

ウエスものがたり【第四回】ウエスの種類

さて、前回まではウエスという産業がどのようにして興ってきたのかについてお話してきました。これからはウエスというものが実際どのようなものなのか、どのようにして作られるのかなど珍しいウエスの製造過程についてお話していきたいと思います。ウエスを日々お仕事で使っていらっしゃる方でも、そのウエスがどのようにして作られるのかご存知の方はなかなかいらっしゃらないと思います。ただ初めにお断りしておきますと、ウエスの種類や名称、製造工程などは生産される地方や業者によってまちまちであり、これから申し上げることがウエス全般について必ずしも汎用的に当てはまるものではありません。その点をあらかじめご了承ください。



一口にウエスといってもその種類は用途、素材、色、厚み、大きさなどによって実に様々であり、ナカノ株式会社で扱っているウエスだけでもざっと50種類にのぼります。これでもかなり統合・整理した方であり、かつてはさらに多くの種類がありました。したがって非常に大雑把な分類になるのですが、おおよそウエスは以下のような要件が仕様用途に応じて複合的に組み合わさって分類されます。

・素材…織物、メリヤス、タオル地など
・色…白、薄色、濃色など
・厚さ…薄手、厚手など
・大きさ…大きいもの、中位のもの、小さいもの、定型のもの

使用用途はそれこそ何かを拭く作業、磨く作業であればあらゆる所で使われますし、ちょっと変わったところでは漏水防止の詰め物として使われたりもします。一般的なところでいうと例えば色落ちの恐れのある溶剤作業や塗装作業では白色無地、柔らかいメリヤスのウエスが好まれますし、機械油をざっと拭い去るような作業では少々厚みがあり吸収性に優れたウエスが使われます。